堺総合法律事務所

 

事件ファイル


法律相談  

弁護士 岡崎守延

相談者.父が5年前に亡くなったのですが、兄弟3人の間では最近まで、特に遺産相続の話しをしないままで来ました。

 ところが、最近たまたま法務局で、父が所有していた土地の名義を確かめる機会があって登記簿を見たところ、既に3年前に兄の名前に変わっていることが分かりました。

 兄に確かめたところ、「父に遺言書を書いてもらった」とのことでした。

 私と妹は、今から兄に対して、遺産の要求をすることはできないのでしょうか。

弁護士.お兄さんは、遺言書はどの様に作ったと言っていますか。

相談者.公証役場で作成したと言っています。

弁護士.公証役場で作成した遺言書であれば、手続的には正確と思われますから、有効な遺言書と思います。

 お父さんには、どの様な遺産があったのですか。

相談者.土地が中心で、全部で3つの土地があったのですが、全て兄の名前になっているようです。

弁護士.その場合には、遺言書のために遺産を受け取れない相続人には、遺留分という権利が認められています。遺留分の範囲は本来の相続分の2分の1とされていますから、お兄さんに対して、あなたと妹さんは本来の相続分の2分の1ずつ、つまり不動産の6分の1ずつの権利を請求できる可能性があります。

相談者.その遺留分の請求は、いつでも出来ますか。

弁護士.いいえ、遺留分の請求は、遺留分の侵害、つまり土地がお兄さんに名義変更されていることを知ってから1年以内に行わなければならないと決められています。

相談者.私達が兄への名義変更を知ったのは3か月前ですから、まだ間に合いますね。

弁護士.まず先に、お兄さん宛に内容証明郵便で遺留分の権利を行使することを通知して、1年以内に権利行使した事実を残し、その上で話し合いをするのが間違いないと思います。

相談者.兄は、私達が請求しても簡単には応じそうにありませんが、どうしたらよいでしょうか。

弁護士.兄弟の話し合いでの解決が難しければ、裁判所の力を借りることになります。内容によって、家庭裁判所の調停或いは地方裁判所の訴訟が考えられます。

相談者.わかりました。まず兄と話し合いをしてみて、難しければまた相談に参りますので、宜しくお願いいたします。

 


 
 
 
110119   | 目次 |