弁護士 岡崎守延
-交通事故の被害に遭ったときに-
相談者.8か月前に交通事故に遭いましたが、症状もほぼ落ち着いてきて、医者から「そろそろ症状固定かな」と言われています。これから、どうしたらよいでしょうか。
弁護士.怪我の治療経過は、どんな状態ですか。
相談者.股関節に傷害があり、事故前のように足を動かすことが出来ません。
弁護士.医者が「そろそろ症状固定かな」と言っていることから、症状固定の診断を受けて、後遺障害の請求をするのがよいと思います。
相談者.私としては、まだ症状が続いているので治療を続けたいのですが、症状固定の診断を受けても治療は続けられますか。
弁護士.症状固定の診断を受けても治療を続けることはできます。ただしその場合は、相手方の自動車保険会社からの治療費の支払は止まりますから、自分の健康保険に切り換えて治療を続けることになります。
相談者.後遺障害の請求はどうしたらよいですか。
弁護士.主治医に後遺障害の診断書を作成してもらい、自賠責保険に対する被害者請求で障害等級の認定を受けることになります。
後遺障害の認定は、加害者側の保険会社を通じてもできますが、被害者の意見を正しく反映させるために、被害者請求の方法で行うのがよいと思います。
相談者.後遺障害の等級が決まったら、その後の加害者への請求はどうしたらよいですか。
弁護士.後遺障害の等級が決まれば、損害額を計算して、加害者側に請求することができます。
その時点で、保険会社が示談額を計算して提案してきますが、保険会社の計算基準は随分と低いので、弁護士会や裁判所の基準に基づいて計算しなおす必要があります。
相談者.後遺障害の等級認定の手続や、示談の方法も、難しそうで自分ではよく分からないのですが。弁護士さんに全て依頼することはできますか。
弁護士.勿論です。弁護士が関わることで、保険会社のいいなりで解決するよりも、公正な解決になると思います。
相談者.弁護士に依頼する費用も心配なのですが。
弁護士.最近は、ご自身が契約している自動車保険などに「弁護士費用特約」が含まれていて、弁護士費用の援助を受けられる場合がありますので確認してみてください。
いずれにしても、弁護士費用を計算に入れても、より公正で妥当な解決が出来ると思います。
相談者.分かりました。またその時は、宜しくお願いいたします。