弁護士 岡崎守延
相談者.半年前に交通事故に遭って右足を骨折し、その後治療を続けてきました。医師からは「骨はもうくっ付いて いる」と言われていますが、まだ痛みがあり、通院を続けています。すると、加害者側の保険会社が「もう事故から半年経ったので、治療を打ち切って、示談の話をさせて欲しい」と言ってきました。どうしたらよいでしょうか。
弁護士.医師は、治療を続けることについては、何と言っているのですか。
相談者.医師は「痛みが続いているのなら、もう少し通院を続けてもらって結構です」と言っています。
弁護士.あなたとしては、どうしたいと思っているのですか。
相談者.私は、まだ痛みがあるので、今治療を打ち切るのは不安で、もう少し通院を続けたいと思っています。
弁護士.それなら、あなたの考えをはっきりと保険会社に伝えることが大事です。
相談者.それでも保険会社が一方的に治療費の支払を止めてくることはないのですか。
弁護士.保険会社によっては、その可能性はあります。その場合には、病院に申請して、治療費の支払方法を、加害者の自動車保険から、あなた自身の健康保険に切り換えて、治療を続けることができます。その場合には、あなたが治療費の一部を一時的に立て替えることになりますが、それは後で示談のときに加害者に請求できますから、心配はいりません。
相談者.今後の治療は、いつごろまで続けることができますか。
弁護士.特に基準はありませんが、医師に「いつ症状固定にしたらよいか」を相談してください。「症状固定」とは、一 定の時点で、今後も相当期間同様の症状が続くと診断されることをいいます。
相談者.「症状固定」の状態になれば、どうしたらよいですか。
弁護士.「症状固定」の診断を受けた症状は、後遺障害として取り扱われることになります。後遺障害の損害を加害者に請求するには、まず自賠責保険で後遺障害の等級認定を受ける必要がありますので、その段階でまた相談に来てください。
相談者.分かりました。また「症状固定」の段階になったら相談に来ます。そのときは、宜しくお願い致します。