堺総合法律事務所

 

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法律相談

弁護士 平山正和

「契約書などの証拠書類の大切さ」

 Q 親族に泣きつかれて1千万円を貸したのですが、何度催促しても返してもらえません。何とかなりませんか。

A 金を貸したことを証明する契約書や受取証などの証拠はありますか。

Q 日頃から親しくしている親族で信用していましたし、すぐに返済すると言いますので、書類は一切作っていません。

A 交渉によっても返済しないときには裁判をして勝訴判決を得たうえで借主の財産を差し押さえて回収するほかありません。裁判で借主が借りたことを認めれば勝訴判決を得ることができますが、借りたことを否認された場合には、立証責任が貸主にあります。立証するに足りる客観的証拠が存在しない場合には敗訴します。つまり、貸した事実があっても、確かな証拠がない場合には、「貸したと認めるに足りる証拠がない」と判断され、結果として、「貸した事実がない」とする判決と同じ、真実に反する理不尽な結論になるわけです。だから、借主の署名、捺印のある契約書、領収書、受取証など書類が重要になります。

Q それらの書類がないのですが、どうすればよいですか。

A それらの書類に代わる証拠で立証するように努める必要があります。証言だけでは裁判所は認めませんから、立証は非常に難しくなり、敗訴すると実際には貸したのに回収ができないという大変なことになりうるのです。

  だから、体裁や表題にこだわる必要はありませんので、約束ごとは文書で残すことが肝心です。    

     以 上

                       

 


 
 
 
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