弁護士 平山正和
「『ブラック企業』に未払い残業代を支払わせるために」
Q 一日8時間以上働いていますが、残業代を支払ってくれません。請求できますか。
A 労働基準法に定められた一日8時間、週40時間を超えて就労した場合には当然、残業代を請求できます。
多くの企業が残業代を支払わないでサービス残業をさせています。労働基準法を公然と踏みにじる違法行為をおこなう会社が増えて、「ブラック企業」が流行語となるほどです。
Q 未払残業代を請求するためにはどうすればよいでしょうか。
A 労働者が未払い残業代を正当に請求するためには残業時間を立証しなければなりません。
タイムレコーダーがある場合には、始業、終業の時間にきちんと打刻し、できれば毎月のタイムレコーダーの写しを資料として保管しておくことが最もよい方法です。
Q タイムレコーダーがない場合には請求できませんか。
A タイムレコーダーを設置していないところもありますから、その場合には、自分で毎日の始業、終業の時間を記録しておくことをお勧めします。その記録に信用性があると判断されなければなりませんので、日記のように毎日記録して、後日作成したものではないことが分かるように、体裁や残業の内容などを記載するなどして、記録に信用性があるように、工夫するとよいでしょう。
そのような証拠によって、きちんと残業代を払わせたケースはたくさんあります。泣き寝入りせずに、権利を行使して、「ブラック企業」を退治しましょう。