堺総合法律事務所

 

事件ファイル


ベルキッチン就労請求事件へのご支援を

弁護士 岡崎守延

 現在係争中の、社会医療法人生長会(ベルランド総合病院を運営する法人です)を相手とする、労働災害に関連した労使紛争事件を御紹介します。

 原告として権利救済を求めているのは、この法人が運営する調理施設「ベルキッチン」に勤めてきた青木美会子さんです。

 青木さんは、「ベルキッチン」の勤務の中で、特に腕に過重な負担のかかる部署に集中的に配属されたことが原因で、両手腱鞘炎などを発症し、2008年(平成20年)5月に労働基準監督署で労災認定を受けました。

 青木さんは、この労災の治療で同年12月まで休職し、2009年(平成21年)1月から復職の予定となったのですが、この段階になって法人側は、復職後の業務も引き続き腕に負担のかかる部署に配属させることを表明しました。このような部署に配属されれば、いつまた症状が悪化するかもしれず、主治医も法人の措置に強く反対しています。

 青木さんは、労働組合堺労連の支援も受けながら、腕の状態に見合った職場への配属を求めて復職の交渉を続けたのですが、法人は一向に態度を変えようとせず、そのまま同年1月に突入してしまいました。

 この法人は多数の職場を抱えており、青木さんの腕の状態に見合った部署を提供することは、その気さえあればすぐできることですが、法人のかたくなな態度は変わりませんでした。

 そこで青木さんは、法人に就労の意志を伝えているのに法人がこれを拒否しているとして、法人に対し、1月以降の給料の支払を求める訴訟を提起することにしました。

 裁判の中で法人側は、労働基準監督署が業務との関連性を明確に認めている両手腱鞘炎などに対し、「家事が原因で発症したものだ」などという不合理極まりない主張を繰り返しています。

 この裁判の係属中に、労働基準監督署で、青木さんの後遺障害認定もなされ、青木さんは合わせて労災被害に対する法人への損害賠償の請求も追加して訴えています。

 青木さんは今、堺労連加盟の労働組合の支援も受けながら、安心して働ける部署での早期の復職を求めて、裁判闘争を続けています。

 青木さんが勝訴して復職できるまで、引き続きご支援を宜しくお願い致します。

                  

                              以    上

 


 
 
 
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